(語り手が輝と闇の神が別れたいきさつを、豊葦原の事を語り上げる)
大御神と女神が「死」によってへだてられ、大御神が女神を拒絶したことで互いに互いを呪いあう。
そしてー物語は始まった!
(輝サイド、闇サイド全員で合唱)
火の神の誕生、女神の死、男神が黄泉まで妻を迎えに行ったこと、
(ここからコーラス)
女神の恐ろしい姿を見て妻を置き去りにして、一人地上にもどったこと
女神が追ってこられない様に岩で道をふさいでしまったことが語られる。
(ここから女神のソロ)
あんなに愛しあったのに自分を見て置き去りにした嘆きと、地上の子等を殺し続ける大御神への怒りに、
「慈しんで2人で作った2人の世界…全てに終わりを!」女神が叫ぶ。
(全員のコーラス)
そうして世界は光と闇との2つに別れ、神々はお互いを憎みながら地上から去った。
「我等は輝の神」
高らかに告げる照日王。地上から闇の女神の力を一掃し、
永遠に変わることのない1つの世界を作り上げると言う月代王。
そのために彼等姉弟は輝の大御神から遣わされたという。
(照日・月代・稚羽矢・まほろばの宮の妥女達)
「いいえ、この国に必要なのは生まれては滅び、よみがえる、女神の力!」
静かに、しかし力強く告げる少女。
(狭也、岩姫、鳥彦、科戸王、伊吹王、闇都王、闇の氏族の者たち)
「そなたは何者だ…我が父、輝の大御神に逆らおうというのか!」
誰何する月代王。
「私は水の乙女」
大地とともに生きよみがえる一族の娘は、女神は今もこの国を守ってくれていると言う。
「光の神の子である我等にかなうと思っているのか」
呆れた様に、しかし激しく問いただす照日王。
「私たちには、大蛇の剣があります」
「この剣を鎮めれるのは、水の乙女である私ひとり。これがあるかぎり、
あなた方の思う通りにはさせません!」
毅然と、自信をもって答える娘。
こうして輝の神の一族と闇の氏族との戦いは始まった。
(全員コーラス)
戦いは熾烈を極めたこと、土地の神が次々に封印されたことが歌いあげられる。
そして一人の娘が、大きく運命にかかわることになるとも知らずに
小さく怯えていた。親をなくし、はぐれたその娘の名は------
" 狭也!"